写真上は約40〜50年前のとかし櫛、下は出来上がったばかりのとかし櫛です。
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飴色に変化して木目がはっきり浮き上がっています。まだ50年ほどなのでつげ櫛で言えば中年と言った感じですね。これからあと100年それ以上に時を経て使っていけるでしょう。
「えっ!100年も使えるの?」
「商売っ気ないですね?」
と皆さん驚かれますよね。
何年か使って壊れちゃう物ならまた買って頂けて、お客様が絶えないかもしれない。
でも、使いやすくて、生活を豊かにする道具が直ぐに壊れちゃう物では困りますよね。
長年ご愛用頂いても耐えうる物づくり。
何故なら、『つげ櫛は道具だから』
昔は道具は手入れをしながら使い続けるのが当たり前でした。
使い心地が良くて、手離せない、そして長年使いたいと思う道具を作り続けること。
これは時代がどんなに変わっても変わらない
「よのや櫛舗」の想いです。
今日、ご購入された方が毎日毎日使いながら数十年後の飴色を楽しみにされる。
数十年後、
「よのやさん、こんなに良い色になりましたよー!それにしてもあの時はコロナで大変だったよねー。」と笑顔でお店に見せに来てくださる。
(私も主人もだいぶ良い歳になってるなぁ(笑))
そんな長〜いお付き合いが出来るのもつげ櫛屋ならではですね。
50年、100年の間に色々な出来事があるでしょうしお客様の人生にも山あり谷ありあるでしょう。
それでもこのとかし櫛は飴色に変化しながらいつもお客様のお髪を美しく保ってくれることでしょう。
